なぜあの銘柄はデリバティブだけ？仮想通貨取引所の裏側を覗いてみよう！

仮想通貨取引所を眺めていると、現物取引ではなく、デリバティブ取引でのみ取り扱われている銘柄を見かけることがありますよね？

実は、そこには取引所や銘柄の特性、市場の動向など、様々な要因が絡み合っています。

この記事では、仮想通貨取引所がデリバティブのみで銘柄を取り扱う理由を深掘りしていきます。

デリバティブ取引の仕組みやメリット・デメリット、価格形成への影響、将来展望までを詳しく解説することで、仮想通貨市場への理解をさらに深めていきましょう。

デリバティブ取引：おさらいと深掘り

デリバティブ取引とは、原資産（仮想通貨）の将来の価格変動に賭ける取引のこと。

株式投資でいう「先物取引」や「オプション取引」のようなものです。

仮想通貨のデリバティブ取引では、レバレッジをかけることで、少ない資金で大きな利益を狙うことができます。

ですが、レバレッジは諸刃の剣。大きな利益を狙える一方で、大きな損失を被るリスクも高まります。

仮想通貨取引所の中には、現物取引はできず、デリバティブ取引でのみ取り扱われる銘柄が存在します。

その背景には、銘柄の特性、規制状況、市場動向、取引所戦略といった様々な要因が考えられます。

時価総額が低い銘柄
- 価格変動が激しく、現物取引だと価格操作や不正取引のリスクが高い…
- デリバティブ取引なら、証拠金取引でリスクを抑制できます。
新規発行の銘柄
- まだ市場に認知されておらず、現物取引では買い手がつかないことも…
- デリバティブ取引なら、将来の価格に賭けることで取引を活性化できます。
ボラティリティの高い銘柄
- 価格変動が大きい銘柄は、デリバティブ取引で大きな利益を狙えるチャンス！
- リスク許容度の高い投資家にとっては魅力的です。
将来性
- 将来的に価格上昇が期待される銘柄に、デリバティブ取引で先行投資できます。

国によって、仮想通貨の現物取引やデリバティブ取引に対する規制が異なります。

投資家の需要
- デリバティブ取引に対する需要が高い銘柄は、取引所も積極的に取り扱います。
競合状況
- 他の取引所が取り扱っていない銘柄を、デリバティブ取引で提供して顧客を獲得する戦略も。
投機性の高さ
- 価格変動の大きい仮想通貨は、投機的な取引の対象になりやすいです。
- デリバティブ取引は、レバレッジ効果でさらに投機性を高められます。

取引所は、以下のような戦略に基づいて銘柄の取り扱いを決定します。

上記の要因を踏まえると、デリバティブ取引のみで取り扱われる銘柄には、以下のような特徴が見られます。

流動性が低い、またはボラティリティが高い
- 現物取引ではリスク管理が難しい銘柄を、デリバティブ取引で提供することで、取引所はリスクを抑えつつ収益を上げられます。
新規性が高い
- 新規発行の銘柄や、まだ市場に認知されていない銘柄を、デリバティブ取引を通じて市場に浸透させられます。
特定の投資家層に需要がある
- リスク許容度の高い投資家や、短期的な売買を目的とする投資家にとって、デリバティブ取引は魅力的です。

デリバティブ取引のみで銘柄が取り扱われることのメリット・デメリットは、投資家、取引所、発行体 のそれぞれで異なります。

対象	メリット	デメリット
投資家	少額で大きな取引が可能、リスクヘッジが可能	現物保有によるメリット（ガバナンストークンなど）がない、価格変動リスクが高い
取引所	手数料収入増加、リスク管理の効率化	現物取引に比べて流動性が低い可能性がある、新規顧客獲得が難しい
発行体	銘柄の認知度向上、流動性向上	価格変動リスク、市場操作のリスク

デリバティブ取引のみで銘柄が取り扱われる状況は、その銘柄の価格や市場に以下のような影響を与える可能性があります。

価格形成
- デリバティブ市場での取引が活発になると、現物市場の価格にも影響を与える可能性があります。
- 特に、デリバティブ市場の規模が大きい場合や、現物市場の流動性が低い場合は、その影響力は大きくなります。
市場流動性
- デリバティブ取引は、現物取引に比べて流動性が低い傾向があります。
- ただし、デリバティブ市場の存在によって、現物市場の流動性も高まる可能性があります。
- デリバティブ市場で新規の投資家が参入することで、現物市場への資金流入を促す効果も期待できます。